~悩みを抱えている方へ、仏教からのメッセージ~
「こころに向き合う」は大本山永平寺別院『別院だより』に掲載されたものです。(2013年~2020年)
現在はストレス社会といわれ、多くの方々が悩みを抱えています。悩みや苦しみを少しでも和らげるためにはどうすれば良いのでしょうか?
悩みを和らげるためには、まず「悩んでいる自分」に向き合うことが必要です。悩んでいる自分に向き合うことは、つらく苦しいことかもしれません。しかし、向き合うことではじめて新たな道が見出せるのです。勇気をもって一歩を踏み出してください。
では、どのように向き合えば良いのでしょうか?
お釈迦さまの教えに四聖諦(ししょうたい)というものがあります。四聖諦は、苦諦(くたい)、集諦(じったい)、滅諦(めったい)、道諦(どうたい)の四つで、お釈迦さまの最初の説法(初転法輪 しょてんぼうりん)の内容と伝えられています。
苦諦は苦の真理です。まず初めに「何に悩んでいるのか?」を自分自身に問いかけてみてください。
次は集諦です。集は原因を意味します。「なぜ悩んでいるのか?」悩みの原因を探ってみてください。
次は滅諦です。苦の滅した状態、つまり涅槃(ねはん)、安楽の真理です。悩みを解決して「どうなりたいのか?」目標を見つけてください。目標は達成しやすいものから段階的に決めると、気力が持続しやすくなります。
最後は道諦、苦を滅する道の真理です。悩みを和らげるために「どうすれば良いのか?」を考えてみてください。悩みを和らげる道は一つではありません。複数の道を見つけることも大切になります。
悩みが深まると少しでも早く解決したいので「どうすれば良いのか?」という思いだけが強くなっていきます。そのため、苦諦、集諦、滅諦、道諦の順番が大切になります。
悩みはつらいことばかりではなく、多くの気づき(智慧)をもたらしてくれます。勇気をもって悩みと向き合ってみてください。
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