~悩みを抱えている方へ、仏教からのメッセージ~
「こころに向き合う」は大本山永平寺別院『別院だより』に掲載されたものです。(2013年~2020年)
つらいときに「つらい」と言える場所がありますか?
苦しいときに「苦しい」と言える相手がいますか?
つらいことや苦しいことがあっても、素直に「苦しい」と言える場所や人があれば、苦しみは和らぎます。また、自分の弱いところや、わがままな姿を見せても、自分を受け入れてくれる家庭や友人がいることで、私たちは安心して自分らしさを表現できます。
悩みと向き合うためには、私たちがどのような状態にあっても、最後まで見捨てず、私たちを支え、護ってくれる「依り所(よりどころ)」を見つけることが大切になります。一人だけで悩むのではなく、自分を受け入れてくれる方々に頼っても良いのではないでしょうか?
お釈迦さまは、つらく苦しい現実を乗り越えるために「帰依(きえ)」という教えを説いています。帰依とはすべてをお任せするという意味があります。私のすべてをお任せすることができる場所が「帰依所(きえしょ)」であり「依り所」と呼ばれるのです。
「南無帰依仏(なむきえぶつ)・南無帰依法(なむきえほう)・南無帰依僧(なくきえそう)」つまり、お釈迦さまの説かれた依り所とは「仏・法・僧」の三つです。
仏とはお釈迦さまのことですが、私たちの人生の先達として、多くの困難に出会いながら寿命の限り生きたお姿は私たちに大きな勇気を与えてくれます。
法とはお釈迦さまの教えのことです。「生きるとは何か?」「どのように生きれば良いのか?」など、私たちの問いに対し、進むべき方向を指し示してくれます。
僧(僧伽 そうぎゃ)とは仏法を信じ実践する仲間たちのことです。お互いに信頼し、支え合える仲間は、私たちに人の温かさを思い出させてくれます。
生きていく中で、悩みに苦しむことは多々あります。しかし、一人で悩まず、依り所にお任せして、こころを休めることができれば、大きな救いとなるのではないでしょうか。
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