~悩みを抱えている方へ、仏教からのメッセージ~
「こころに向き合う」は大本山永平寺別院『別院だより』に掲載されたものです。(2013年~2020年)
苦しいときに頼ることができる「依り所(よりどころ)」を見つけることができたら、自分の思いを言葉にして、信頼できる相手に伝えてみてください。誰かに自分の思いを聴いてもらえると一人で悩んでいる時より少し気持ちが楽になりませんか?
言葉には大きな力があります。抱え込んでいる思いを言葉にして相手に伝えることによって、相手に自分の気持ちがわかってもらえます。自分のことを理解してくれる人が、一人でもいてくれることで大きなこころの支えとなります。
また、様ざまな思いが複雑に重なり合ってどうすれば良いのかわからなくなったときには、一つひとつの思いをていねいに言葉にしていくことで、今の自分の思いに気づくことができ、こころが整理されていきます。そして、その言葉を声に出したり、文字にしたりすることで、自分の気持ちや考えを再確認することができます。
こころの整理は一人で行うよりも、相手がいた方が良い場合もあります。相手に理解してもらうためには、よりわかりやすい言葉で自分の思いを表現しなければなりません。どのように話せばよいのか、くり返し表現の仕方を考える中で、自分自身への理解も深まっていきます。また、相手の言葉や考えを聴くことによって、一人では気づかなかった思いや考えに気づくこともできます。
苦しい思いを他人に話すことはなかなかできないことかもしれません。悩みが深いほど、話すことでまた傷つくかもしれないという不安や恐怖が生じてきます。その場合には、今の思いを日記など紙に書き出すことから始めてはいかがでしょうか。
もし信頼できる相手が見つかったら、勇気をもって思いを伝えてみてください。思いを言葉にすることで見えてくるものが必ずあります。
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