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こころに向き合うBUDDHISM

こころに向き合う

こころに向き合う

~悩みを抱えている方へ、仏教からのメッセージ~

「こころに向き合う」は大本山永平寺別院『別院だより』に掲載されたものです。(2013年~2020年)

筆者(住職 舘盛寛行)略歴

第7回 利他行を心がける

~相手のための行い(利他行)とは?~

より良い人間関係を築くためには、まず、相手の話をよく聴き、相手のことを知ることが大切になります。相手のことが分かってきたら、次に相手のための行いを心がけてください。

お釈迦(しゃか)様は相手のための行いを利他行(りたぎょう)と説かれました。利他行は慈悲(じひ)の心、つまり相手を思いやる心が大切になります。相手を思いやり、相手のための行いを心がけることによって、相手との関係はさらに深まっていきます。

では、相手のための行い(利他行)とはどのようなものなのでしょうか?

相手のためといっても、無理をしすぎてはいけません。自分のできることを少しずつ行っていけば良いのです。

お釈迦様の教えに「無財(むざい)の七施(しちせ)」というものがあります。この教えはものやお金がなくても、私たちの心がけで行える利他行です。

無財の七施とは「眼施(がんせ、やさしい眼差しで人を見る)」「和顔施(わがんせ、やさしい顔をする)」「愛語施(あいごせ、やさしい言葉をかける)」「身施(しんせ、身体を使って奉仕する)」「心施(しんせ、思いやりの心で接する)」「牀座施(しょうざせ、席を譲る)」「房舎施(ぼうしゃせ、風や雨をしのぐ所を与える)」の七つをいいます。この七つの行いを心がけてみてはいかがでしょうか。

まずは相手を見る表情です。眼や顔には心の様子がよく表れます。思いやりの心で相手と接すると、自然と眼や顔の表情がやさしくなります。

次に言葉です。言葉は時として相手の心を傷つけてしまうことがあります。相手を思いやり、やさしい言葉を心がけます。

そして、手伝えることがあったら積極的に協力することです。また、もし必要なものがあれば分け合うことです。

相手を思いやる、相手のための行いは、相手に安心感を与えることができます。「あなたといると心が休まる」そのような存在になれたら素晴らしいと思います。



→ 目次へ(こころに向き合う 全32回)


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