~悩みを抱えている方へ、仏教からのメッセージ~
「こころに向き合う」は大本山永平寺別院『別院だより』に掲載されたものです。(2013年~2020年)
日々の生活の中で幸せを感じるのはどんな時ですか?
愛する人と過ごしている時。美味しいものを食べている時。美しい景色を見た時。新しいことができるようになった時。努力が認められて時。人の役に立てた時。幸せの形は人によって様々ありますが、誰もが幸せを願って一生懸命に生きています。
私の幸せは私の努力だけで得られるものではありません。お釈迦様は「すべての物事は互いに関わり合い支え合って存在している」という縁起(えんぎ)の法を説かれました。私たちはただ一人で生きているのではなく、多くの縁によって支えられて生かされている存在なのです。
私のいのちは両親が私を産み育ててくれたから今ここにあるのです。その両親も祖父母が子どもを産み育てることによって誕生し成長できたのです。私のいのちは私が生まれるずっと前から続く、親から子へのいのちのつながりによって今ここにあるのです。
いのちのつながりによって誕生した二つのいのちが同時代に生まれ、出会い、心を通い合わせることで、はじめて愛する人と過ごすことに幸せを感じることができる。まさに多くの縁によってもたらされた幸せだといえます。
美味しいものを食べるということも、動物や植物のいのちを太陽や水、大地などの大自然の力が育み、そして、多くの人びとの手を経て、私まで届けられた食べ物をいただくということなのです。
このように私の幸せは多くの縁の力によってはじめて実現するものなのです。もし、日々の生活で幸せを感じられたとしたら、それは当たり前のことではなく、とても有り難いことなのです。この有り難さに気づき、ご縁に感謝をすることが大切なのだと思います。
そして、次は私が誰かの幸せのためにできることを探してみてはいかがでしょうか?
私が今ここに生きていることが誰かの幸せにつながっていく。とても素晴らしいことだと思いませんか。
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