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百番観音(相模原市文化財)・安産守白子観音を祀る観音霊場

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こころに向き合うBUDDHISM

こころに向き合う

こころに向き合う

~悩みを抱えている方へ、仏教からのメッセージ~

「こころに向き合う」は大本山永平寺別院『別院だより』に掲載されたものです。(2013年~2020年)

筆者(住職 舘盛寛行)略歴

第13回 無常を観ずる

~老病死とどのように向き合えば良いのでしょうか?~

いつまでも若々しく、健康で、長生きしたいと思いませんか?

しかし、現実は年を重ねると次第に老いを感じるようになります。健康に気を付けて生活をしていても病気を完全に防ぐことはできません。そして、死はすべての人に平等に訪れます。この私たちの思い通りにならず、深い苦悩をもたらす老病死とどのように向き合えば良いのでしょうか?

私たちが日々、老病死に向かって変化していることを、仏教では「無常(むじょう)」といいます。この無常を観ずることが、仏教の入口になります。お釈迦(しゃか)様も私たちと同じように、老病死という無常を観じ、苦悩を深めたと伝えられています。そして、この老病死といかに向き合い、いかに苦悩から解脱(げだつ)するのか、その方法を見つけるため、二十九歳の時に出家(しゅっけ)したと伝えられています。

では、私たちの思い通りにならない老病死とどのように向き合えば良いのでしょうか?

仏教では「智慧(ちえ)」と「慈悲(じひ)」が大切だと説かれます。

「智慧」とは老病死という現実に苦悩している「私」とは何なのかを知ることです。「慈悲」とは、平等な心で相手の苦しみを除き、幸せを願うことです。

道元禅師(どうげんぜんじ)は「仏道(ぶつどう)をならうというは、自己をならうなり」と説かれました。老病死という壁に直面した時には、「私」というものに改めて目を向けてみてはいかがでしょうか。

仏教では「私とは縁起(えんぎ)なる存在である」と説かれます。私はただ一人で生きているのではなく、多くの縁がつながり合い、そのご縁に支えられて生かされている存在であるということです。縁起なる存在であることに気づくと、私を支えてくれている多くの縁に対して感謝の心が生まれます。そして相手のためにできることを行うようになります。

このように「私とは何か」という問いに始まり、多くの縁のつながりを知ることで、お互いに支え合いながら共に生きるという慈悲の生き方につながっていきます。

智慧と慈悲によって老病死の苦悩と向き合っていく生き方を説くのが仏教です。「私とは何か」「どのように生きれば良いのか」と悩んだときには、仏教を参考にしていただくと、答えが見つかるかもしれません。



→ 目次へ(こころに向き合う 全32回)


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