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百番観音(相模原市文化財)・安産守白子観音を祀る観音霊場

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こころに向き合うBUDDHISM

こころに向き合う

こころに向き合う

~悩みを抱えている方へ、仏教からのメッセージ~

「こころに向き合う」は大本山永平寺別院『別院だより』に掲載されたものです。(2013年~2020年)

筆者(住職 舘盛寛行)略歴

第21回 煩悩(癡)

~わかっているのにやめられないことはありませんか?~

わかっているのにやめられないということはありませんか?

そして、結果的に失敗する可能性が高いことや、苦悩が増すかもしれないことがわかっているのに、その時の感情や自分自身のこだわり、自分の都合だけを優先して行動してしまい、後悔するということがありませんか?

お釈迦(しゃか)さまは、私たちはただ一人で生きているのではなく、多くの縁(えん)がつながり合い、そのご縁に支えられて生かされている存在であると説かれました。つながりの中に生きているからこそ、自分だけが思い通りに生きるということはできず、周囲の人たちとの関係性が大切になるのです。

しかし、私たちの心には煩悩(ぼんのう)があり、自分の思い通りに生きたいという思いが強くあります。思い通りにしたいという願望と、思い通りにならない現実の間で悩みや苦しみが生まれるのだから、悩みや苦しみをなくしていくためには、煩悩をコントロールしなくてはいけないとされるのです。

お釈迦さまの説かれることは確かにその通りだと思います。しかし、たとえ煩悩が苦悩の原因だとしても、自分の思い通りに生きたいし、面倒なことや苦労はせずに楽に生活がしたいと思ってしまいます。このように、お釈迦さまの教えの大切さを理解しきれない心を、仏教では「癡(ち 愚かさの心)」といいます。

「癡(愚かさの心)」は誰の心にもある根本煩悩(こんぽんぼんのう)」の一つで、簡単には取り除くことができません。お釈迦さまのように悟った方であれば、常に正しく行うことができます。しかし、私たちには煩悩があり、常に正しくというわけにはいきません。一時的な感情や快楽に惑わされ、結果的に失敗してしまうことも仕方のないことなのです。大切なことは、失敗を反省し、次にどうするかを學ということです。

もし、煩悩に惑わされ失敗を繰り返してしまう危険性がある場合は、誘惑から離れることも大切になります。コントロールしにくい煩悩に対しては、煩悩を生じさせるものに、近づかず、離れ、捨てることによって、自分を護っていきましょう。

そして、煩悩に惑わされず、正しい判断をするために「三世十方(さんぜじっぽう)の眼」を養っていきましょう。「三世の眼」とは、過去を反省し、未来を見据えた上で、今、どうすべきなのかを見つけることができる眼です。「十方の眼」とは、自分のことだけではなく、周囲のことも考えて何をなすべきかを見つけることができる眼です。

「三世十方の眼」を心がけ、煩悩に惑わされないようにしましょう。



→ 目次へ(こころに向き合う 全32回)


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