本文へスキップ

百番観音(相模原市文化財)・安産守白子観音を祀る観音霊場

TEL. 042-762-2947

〒252-0136 神奈川県相模原市
緑区上九沢264

こころに向き合うBUDDHISM

こころに向き合う

こころに向き合う

~悩みを抱えている方へ、仏教からのメッセージ~

「こころに向き合う」は大本山永平寺別院『別院だより』に掲載されたものです。(2013年~2020年)

筆者(住職 舘盛寛行)略歴

第25回 今

~どれだけ「今」を感じて生活していますか?~

日常の中でどれだけ「今」を感じて生活をしているでしょうか?

私たちはいつも何かを考えながら生活をしています。何も考えないようにしようと思っても、自ずと様々な思いや考えが頭に浮かんできてしまいます。特に悩みや心配事があると、そのことばかり考えてしまい、心が休まらないという経験がありませんか。

悩みがある時、心の中は過去や未来のことでいっぱいになっていることが多くみられます。過去を後悔したり、過去に経験した恐怖や苦悩、怒りや悲しみなどが頭から離れずに、何度も思い出してしまうことがあります。私たちの心が、過去の経験や記憶に振り回されてしまい、悩みから抜け出せなくなってしまうのです。

また、まだ起きていないことに対して、恐怖や不安、苦痛などを想像してしまい、悩んでしまうことがあります。また、将来がわからないということに不安を感じることもあります。

しかし、どれだけ悩んでも過去は変えることができません。そして、未来について確実なことは誰にもわかりません。変えられない過去や、不確かな未来に対して、いくら悩んでも答えが見つからず、心が疲れてしまうのです。

心を休めるために、過去や未来に対する思いはいったん脇に置いておいて、「今」に目を向けてみてください。禅の教えでは「今」を大切にしています。過去や未来は私たちの頭の中にある記憶や想像の世界です。現実に私たちが生きているのは「今」なのです。だからこそ、禅の教えでは、自分が今、何を行っていて、何を感じているのかに意識を向け、「今」というこの瞬間に、身体と心を一致させることを大切にしています。

意識を向けるのは、日常のどのようなことでも構いません。例えば食事。料理の色合いや香り、食感や硬さ、温度や味など、食事をしながら、身体は視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などで様々なものを感じています。その感覚に意識を向けると、悩みのことばかり考えていた時には気づかなかった料理の味わいに気づくことができます。食事をしている今という瞬間に、身体と心が一致することによって、気づけるものがあるということです。

そして、今に意識を向けているときには、悩みのことを気にしていません。心が少し悩みから解放されたということです。

最近、心が疲れていると感じた時には、「今」を感じてみてください。



→ 目次へ(こころに向き合う 全32回)


バナースペース

曹洞宗巨福山梅宗寺

〒252-0136
神奈川県相模原市緑区上九沢264

TEL 042-762-2947
FAX 042-762-2947